こんにちは!ロドニーです。
本日はマーケティングについてのお話し。
まずはこちらを御覧ください。
DA PUMPの新曲なのですが、ジャケ写、ダンス、服装、映像、曲、なにもかもが…
究極にダサい。
と思ったのが率直な第一印象。
しかしこのダサい曲、Web界隈のマーケターで超話題になっており大絶賛の嵐なんです。
DA PUMPの軌跡
DA PUMPと言えば、1990年後半から2000年初頭のJ-POPシーンを牽引したビッグアーティスト。
日本人のミレニアム世代(1980年代から2000年代初頭までの生まれの人を指す)なら、知らない人の方が少ないはず。
メジャー音楽に限らずインディーズ音楽もめちゃくちゃ最高な時代でした。
がしかし、DA PUMPはいつの日からかメディアから姿が消えた。
特にファンでもなんでもない私の印象からすると、
程度しか思い浮かばない。※ファンの人ごめんなさい。
で、見なくなってから最近まで何してたのか気になって調べてみたんですが、なかなか不遇の時代を過ごしています。
下記はWikipediaから参照。
1997年6月、グループ名が「DA PUMP」となってm.c.A・Tの音楽プロデュースにより、シングル「Feelin' Good 〜It's PARADISE〜」で新レーベルavex tuneからの第1弾アーティストとしてデビュー。初期はm.c.A・Tのリリースした楽曲を中心に、歌詞をマイナーチェンジし副題を変えて発表していた。
1997年8月、横浜ランドマーク・ドックヤードガーデンでデビューライブが行われ、5000人を動員。同年10月、同じランドマーク内のガーデンスクエアのライブでは18,000人と前回の約3倍以上の観客が集まった。[2]
1998年、NHK紅白歌合戦に初出場。以降、2002年まで5年連続出場した。
2003年、18枚目のシングル「Night Walk」から「Bright! our Future」までセルフプロデュースに転向。
2006年、SHINOBUが脱退。同年、グループは一時活動を休止。
2008年、YUKINARIが脱退。
2008年12月、翌年の春から7人の新メンバーを加えて9人組として活動をすることを公式サイトで発表。
2009年7月、9人体制となって初のシングル「SUMMER RIDER」を発売。
同年12月、KENが「方向性の違い」として脱退。
2011年2月1日、8人体制となって初のシングル「Can't get your love」を発売。
2014年、KAZUMAが卒業という形で脱退。同年10月、3年半ぶりのシングル「New Position」を発売。
2017年6月11日、デビュー20周年を迎えた。千葉・舞浜アンフィシアターで結成20周年記念ライブ『LIVE DA PUMP 2016-2017“RED~live 20th~”』を開催。会場には、元メンバーであるSHINOBUが来場しており、YUKINARIからは祝福のコメントも届けられた。[3]
2018年6月6日、約3年半ぶりのシングル「USA」を発売。Joe Yellowの「USA」をカバーし、現代風にアレンジしたグループとしては初挑戦となるユーロビート曲である。
出典:Wikipedia
2003年あたりをピークに右肩下がりで人気が衰退していった見て取れますね。
発売元レコード会社のavexからすると、一世を風靡した音楽業界の立役者で企業成長にも貢献したアーティストだから無下に扱う事なんかできないはず。
何とか人気を再燃させようと必死に対策していたのは2003年以降の迷走っぷりを見てもわかります。
再起を狙ったマーケティングの失敗
発売元レコード会社のavexからすると、一世を風靡した音楽業界の立役者で企業成長にも貢献したアーティストだから無下に扱い事なんかできないはず。
何とか人気を再燃させようと必死にマーケティング対策していたのは2003年以降の迷走っぷりを見るてもわかります。
その証拠に、USAの一つ前のシングルをご覧下さい。
2014年にリリースされた曲ですが、普通にメンバーみんなオシャレで曲調もカッコいい。
しかし世間一般では認知もされていないし、話題にもならない。
一度人気が落ちてしまったアーティストをリブランディングするにしても星のように多いアーティスト群と被ってしまう。
だって他にも若くて、カッコよくて、歌も上手いグループなんて腐る程いるし、正真正銘のレッドオーシャンですから。
これが意味する事は、カッコいいだけじゃ売れない市場だってことですよね。
そりゃ、みんなオシャレに見られたい、カッコよくみられたいですよ。普通です。
でも、そこには差別化が無くなるという落とし穴が潜んでします。
大手企業だろうが、属しているアーティストだろうが、アーティストの卵だろうが、”売れる” ”話題になる” には他と差別化を図らないといけないわけです。
満を持しての新曲、USA発売
おそらくavexのマーケティング部隊かプロデューサーはDA PUMPの過去から現状までをしっかり整理して差別化ができていないことに気付いたのだと思います。
そして新曲のUSAは完全に振り切った差別化とバズらせる事を想定してしっかりと構成されています。
その証拠に5/16に公開されたMVのYouTube再生回数は既に250万回を超えています。※2018/5/31時点
なぜこんなにも今までと違う反響が起きているのか?なぜみんなの印象に残るのか?もう少し分析してみます。
DA PUMPに持つ今までのイメージと新曲のイメージの比較です。
イメージ | 従来の曲 | 新曲USA |
見た目 | カッコいい | ダサい |
音楽 | カッコいい | ダサいけど耳に残る |
歌詞 | 素敵 | ダサい |
商品ジャケット | ダサい | 超ダサい |
これまでのイメージと真逆のプロモーションで攻めてきています。
本来の私たちに埋め込まれているDA PUMPのイメージ真逆のプロモーションで仕掛けてくれば、
と、視聴者が反応するのはそりゃ必至ですわ。
しかも、ユーロビートの曲調自体が一度聞けば耳にずっと残るメロディーで中毒性を促す。
歌詞がダサくても曲が良ければそれを打ち消してしまう効果があるので、これも計算に入れた選曲なんだと思います。
昔のインディーズバンドのB-DASHとかガンナムスタイルもそうだもんね。ダサくても耳に残るいい曲。
非の打ちどころがなく、これを仕掛けたavexのマーケティング部隊は相当優秀ですよ・・・。ビビります。
私もまんまとavexのマーケティングに引っ掛かってしまいました。
このマーケティング手法を命名するなら、
逆張りマーケティング
DBM(ダサくバスらせるマーケティング)
クソワロマーケティング
と言ったネーミングで提案してみたいのですが、いかがでしょう。
戦略的にも基本を押さえていた!
今回のマーケティング成功の裏側には、実はもう一つの要因があるとみています。。
まず、マーケティングの基本戦略としてアイドマと言う法則があります。
アイドマとは消費者がある商品を知って購入に至るまでの段階を表したものでです。
認知段階 | ||
A | Attention | 注意 |
I | Interest | 興味・関心 |
D | Desire | 欲求 |
M | Memory | 記憶 |
A | Action | 行動 |
このAIDMAを今回の新曲USAのブランディングに当てはめてみると…
イメージ | 新曲USA | AIDMA |
見た目 | ダサい | 注意・興味・関心 |
音楽 | ダサいけど耳に残る | 注意・記憶・行動 |
歌詞 | ダサい | 注意・記憶 |
商品ジャケット | 超ダサい | 注意・興味・関心・記憶 |
アイドマのD(欲求)を除く全ての要素をしっかりと抑えています。全部注意を引いてるw
しっかりと基本を抑えて丁寧にマーケティング戦略を練っていたんだなとこうやって分析すると理解が深まります。
USAがバスったもう一つの要因がバスった本質だった!
でもって、ここから私の持論で一番言いたかったことです。
スマホが主流となった昨今のインターネットマーケット。そして物も情報も氾濫している時代。
物余りの時代において人は”コト体験”を大事にするわけです。
楽しい”コト体験”は誰かに共有したくなる。
フィリップ・コトラーと言うマーケティングの神様がいるのですが、コトラーさん最新の著書の中で、A5と言う新しいマーケティング手法を提唱しています。
A1 | 認知 | AWARE |
A2 | 訴求 | APPEAL |
A3 | 調査 | ASK |
A4 | 行動 | ACT |
A5 | 推奨 | ADXOCATE |
厳密に言うとカスタマージャーニー(消費者が商品を知ってから購入に至るまでの道筋)の手法なのですが、
スマホ時代のマーケティングは推奨が商品やブランドを市場に浸透させる最も重要な指針となり注力するべき点なのです。
コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則
今回のDA PUMPの新曲USAもそう。
ダサいけど中毒性のある音楽。何より見ていて面白いし楽しいんです。
他の人にも聞いて欲しい!
他の人にもこの面白おかしさを伝えたい!
他の人とこの楽しさを共有・共感したい!
と言ったユーザーの推奨の連鎖が今回のUSAマーケティング最大の勝因なわけなんですよね。
実は今もオフィスで流して聞いていますw
このマーケティング手法の波はキテるぞ!!!
今回はDA PUMPの新曲USAのバズった実例を元にお話ししました。
音楽に限らず、このマーケティング思考は全ての物に当てはめる事ができます。
対象となるそのサービス、商品、ブランドは…
他と差別化されているのか?
他人に推奨(共有・共感)させたくなるものか?
シンプルにまとめましたが、これを常に問いかけてみましょう。
私自身もマーケティングスキルに磨きを掛けたいと思います。
クソダサマーケティングの波、来ています。
実は青山テルマの出す新曲も同様の手法で攻めに来ているんですw
懐かしいしけど、ダサいw
とはいえ、DA PUMPのケースを知ってしまっているのでインパクトや斬新さは少ないです。
同じような手法はみんな真似するし乱発されるのですぐに飽きられるのが目に見えます。
長続きするとは思いませんが、しばらくは続くでしょう。w
また次回!